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村上春樹と村上龍

2006-04-01Written:
BOOK, 村上春樹, 村上龍

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村上春樹

 「好きな作家」欄。
中学高校の時分、好きな作家を書く欄があれば、私は彼の名を書いた。
しかし、自分が彼の作品を好きなのかは不明であった。小学5年で「ノルウェイの森」を読んで以来、彼の作品は他にロクに読んだこともなかった。
 ただ、中学高校で出会う本はすべて下らないと思えた。
 そのため、その欄には「村上春樹」が埋まるしかなかった。
 高校を卒業し、更に短大を卒業したのち、村上春樹の作品に再びいくつか触れ、あるとき私はぞっとした。
 あまりに彼の作品が私の人生そのものに投影されていることに気づいたからだ。
考えてみれば、私の10代後半からその時に至るまでのいくつかのキーポイントに彼の著作が関係している。
 ぅぉっとここでは深く語れませんので話を変えましょう。
<乾燥>
 なんでこう、男性の著作って乾いた土を触ってるみたいな感覚なのだろう。渇いていると読みにくい。喉とか、心が。
あんまり乾いていると、ひび割れて血が滲む。しもやけみたいに。
「大人の読む小説ってみんなこうなのかな、無理して書いてるのだろうか」
小学5年、「ノルウェイの森」に出会った私は思ったけれど、男性作家の作品は共通して湿度が低いのだ。無論、無理してそういった雰囲気を演出しているわけはない。それが彼らの「自然」なのだ。コミカルであれ、ハードボイルドであれ。
 その点、女性作家の文章を見ると湿度が保たれている。
湿気が多くて、「キモイ」と鳩尾にくることはあれど、乾燥してツラくなることはない。
 具体的に分析すると、感情描写の量の違いである。
 男性作家の感情描写は、圧倒的に少ない。
 ドライな文体の作品を書く女性の作品を読んでも、一見そのように思えないだろう。
 しかし単に直接的な感情描写が無いだけで、ストーリー内の人物による「感情から発せられた行動」の多さを見れば、女性作家であるかどうかの判断は容易につく。
 一方、男性作家の登場人物は大体「こんなことがあって自分がこういう立場だから行動することになった」。
 そしてその違いは、男性と女性の精神構造の違いそのものだと気づいたのはもっと後である。
<価値>
 小説を読む人でも、映画を見る人でも、「ストーリー」を見る人、「映像」を見る人、「俳優」を見る人などがいる。その違いによって、一つの作品でも評価が大きく別れる。
 「ストーリー」を見る人に薦められた小説を読み、がっかりしたことは数知れず。
 わたしは「ストーリー」派ではありません。
 面白いストーリーだったら、大体誰が書いても同じ。それを考え付くことができるのがその人の才能だろう。村上春樹は―
 村上春樹の作品のストーリーを誰かが知っていても、価値のある文章など書けないだろう。なぜなら文章自体が村上春樹であり、彼にしか書けない、彼そのものだからだ。
 私は小説にしろ、映画にしろ、音楽にしろ、その「作品」の技巧や完成度よりも、いかにそれを産み出した人間そのものが表されているかに心を動かされる。
 そして、彼の作品は女性に対する姿勢が本当にいい。
私は男性の小説や、関わった男性に対して幼少の頃彼の作品に感じたのと同じように「乾燥している感じ。かわいそう」と思っていたけれど、彼こそ近しい女性に対して「かわいそう。なぜ抜け出せないのだろ」と感じているのだろう。
 彼の作品の主人公は、いつも大切な女性をわけのわからない世界に遠ざけられ、そこに迎えにゆくのに彼女達は主人公の手をとらないのだ。
 2行で村上春樹の小説のストーリーを書いてしまった。すいません。
 彼の作品は女性の狂気や孤独や悲しみに対してとても真摯だ。
 
 突然ですがここで村上龍を引き合いに出しますと、村上龍の女性描写は型どおりで、まるで魂が篭ってない。女性が金地位目当てで寄ってくるのを「モテた」と勘違いしてるんだろうな。それなのに自信を持って、「女性とは○○だ」と言ってるの。お前のようなキモい男の恋愛論なんか聞かねーよ。って、許せなかったな。昔は。
 というか、村上龍は被写体がメディアに出すぎ。豚の皮を被った豚ですね。
まあでもやっぱり、処女作はいいもんですね。でも題名は変更前の『クリトリスにバター』でよかったんじゃないですか。
 あとは映画でしか見ませんでしたけど『ラブ アンド ポップ』、最後は女の子に対する優しさが出てて、それが評価点かな。
 何かと村上春樹と村上龍が並べられるのが不愉快なのでむしろこんな感じで並べてみました。
村上龍

『ラブ&ポップ』
『オーディション』
『すべての男は消耗品である。』(齧り)
あとなんか読んだかもしれないけど忘れた

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