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綿矢りさ - 蹴りたい背中

2004. 06. 14 wrote.

綿矢りさ は私の4歳年下なんだけれど、学園生活の描写にすごく共感を覚えた。

「自分の中学高校生活の独特な感覚」は、誰にもわからないんじゃないかと思っていた。

親や教師は、「自分もその年代の頃は同じように悩んだ」「自分の時と同じ」という。そうなのかな、と思いつつ半分信じていた。

でも、私は文学書を読むほうだが、いくらよくできた思春期の描写を読んでも、自分のそれとは異なる世界のもののような気がした。

親や教師の昔話を聞いても、ちょっとは悩んだということは伝わってくるが、私が学校で感じていた雰囲気と全然違う雰囲気が感じられる。

この年になって、同学年の知人・友人が次々に精神的にダウンしたり、現役の中学高校生のメンタルサイトなどを覗くにつれ、(私)対(他)という図式は崩れ、(私の世代)対(親世代)の隔たりなのではないか、と感じていた。

そこで、「蹴りたい背中」が来る。「自分も同じ」と言っていた親世代の人々に向かって、笑って「やっぱ違うじゃん」と言いたい気分だ。

それほど新鮮なシンパシーを感じた。

どこらへんが、既存の思春期ものと異なるかというと、まず解像度が異なると思う。

すごく細かいトコロが気になるという。友人の笑い方一つ、クラスメイトの仕草一つ。

それから、中学から高校へかけての自分の内部の変貌に、現状の自分が追いつかないという事態の描き方もこれまでにないほどリアルに感じた。

一年前の、友達の中で道化でいた自分に、何やってんだろう、と思う気持ち。それはどの年代でも共通の事柄かもしれないが、思春期の成長のスピードは速くなっているのならば、そのブレと摩擦も大きいだろう。

そのため、このブレにズームアップしてしまうというところにも、私は「自然」かつ「リアル」と感じた。

一方、芥川賞より前に出会った金原ひとみのほうが私は好きなのだが、それはまた後日。

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