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VOICES music from FINAL FANTASY -2006/2/18 パシフィコ横浜 国立大ホール-

2006. 04. 02 wrote.

VOICES music from FINAL FANTASY ファイナルファンタジー プレミアム・オーケストラコンサート

スクウェア・エニックス
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VOICES

初めて手にしたFFシリーズ作品は、5作目であった。
そこに描かれる、繊細で、飄々としていて、ヒロイックファンタジーの王道からは外れた主人公像、そして何よりも名の通り幻想的な世界観に魅了されてしまった13歳のあの日。

そしてその幻想的な雰囲気は、音楽なくしては語れない。
それは、全篇に通じてどこか寂しげで、冷たいほどに洗練されていて、触れたら壊れそうな旋律群像だった。
アップテンポの曲には必ずと言っていいほどバックにハードロックサウンドが取り入れられていた。
16bitの枠の中で表現されたギリギリのロックで、また最終の一回手前戦の曲はロックそのものであった。

私は、その頃の中学生の手持ちからすると間違いなく高級品であるFinalFantasy5のピアノ譜を購入した。
プレリュード、バトル、最終戦の旋律を追えば、幼少時に練習をさせられるたびに泣いていたピアノを習わせてもらえて良かったと初めて思った。

FF7でキャラクターメインデザインが天野喜孝ではなくなってしまったため、これでFFシリーズ収め(天野氏がメインデザインに復活するまで)と思ってコントローラを持った。
それでも、単純明快と間逆を行くアングラなストーリー展開と、思ったより愛せる3Dで引き込まれていった。
最終ボス戦で、賛歌:「Carmina Burana」を原曲とした「片翼の天使」が降り注いだ時のことを今でも鮮明に覚えている。
それは明け方だった。そのときの光の加減から、部屋のレイアウトまで思い出すことができる。
突如流れた賛歌が笑ってしまうくらいのカッコよさに、そのまま部屋をのた打ち回った。
テープに起こして聞けるように、ビデオデッキを回し、30分ほど放置し、それから時間をかけて感動的に敵(とも)を討った。
それが、FFシリーズで初めて使用された「唄」だった。

あれから10年。
2006年2月18日、 植松伸夫製作総指揮・ファイナルファンタジープレミアムオーケストラコンサート『VOICE』。
最初に奏でられたハープによる『クリスタルのテーマ』。それに載せられる混声コーラス・・・
私が「子供」であった恐らく最後の記憶であろう、クリスタルが呼んだ透明な感動が高速で甦り、鳥肌で済まされなかった。
パシフィコ横浜の一流のホールで行われるそれは、おきれいで静かなコンサートで終わるかと思いきや、それはFFの音楽を愛する人たちによるFFの音楽を愛する人たちのための特別な異次元空間となった。
混声楽・オーケストラ共に、人間というもののすばらしさに純粋に驚かされる良いもので、アンジェラ・アキの弾き語りも感涙であった。

『片翼の天使』は諦めかけたそのとき、アンコールで舞台が割れた。
植松伸夫率いるロックバンド『BlackMaze』が登場し、あの前奏が・・・

オーケストラ&ロックが、最高の状態で実現し、私と気持ちを同じくする人々から歓声が沸き起こった。
「オーケストラ」「ゲームミュージック」そういったものの枠組みや型を取り払った、このコンサートの与えてくれた感動に、オタを大勢含む観客といえどスタンディングオベーションで敬意を表さずにはいられなかった。
鳴り止まぬ、鳴り止まぬ感動の拍手に、急遽再々来『片翼の天使』がもう一度だけかき鳴らされた。。。

-この感動を、最も分ち合いたい友人と分ち合えたことは至福だった。
10年前、大人になることに希望を抱いているとは言えなかった私たちだけに、今日同じ思いだったのではないだろうか。
「この10年間生きて、年をとるのも良いものだ」、と。

このコンサートに誘ってくれた、藤枝桔梗に深く感謝を込めて。


VOICES HP
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